薪ストーブには煙突や設置工事費用などもかかり、決して安いものではないので、一度設置したら大切に使用して、できれば長く使いたいものです。けれども、やはり物には寿命があります。薪ストーブの買い替えのタイミングはいつと考えればよいかは、薪ストーブを初めて入れるときにも、大きな判断基準となるでしょう。
ここでは、薪ストーブの製品寿命や買い替えのタイミングを解説しています。ま、、薪ストーブを買い替える場合の流れ、そして買い替えをスムーズに行うための注意点を紹介。さらに、オーバーホールについても解説し、愛着のある薪ストーブを長く使う方法も提案しています。
薪ストーブの製品寿命
毎年冬になると家を暖めてくれる薪ストーブは、使うほどに愛着がわき、一生使いたいと考えているオーナーさんも多いでしょう。たしかに、品質のよい薪ストーブを正しく使っていれば、100年以上使うことも可能です。現に、ヴィンテージ品なども流通しており、これらの製品も問題なく使われています。
ただ、正しく使うというのがなかなか難しいところです。自分では正しく使っているつもりでも、空気調節が上手くいっていなかったり、不完全燃焼を起こしていたりと、気が付かないうちにトラブルを起こしている場合もあります。また、薪ストーブもたくさんの種類があります。品質のよいものは長く使えますが、そうでないものは劣化が早く、寿命も短くなります。そのため、一般の薪ストーブの寿命は一概には言えませんが、だいたい20年~30年といわれています。
薪ストーブの寿命を少しでも伸ばしたいのなら、品質のよい薪ストーブを選ぶこと。そして、定期的にメンテナンスを行うことです。メンテナンスはご自身で行うという方もいますが、ご自身のメンテナンスが間違っている場合もあります。できれば毎年、自分で行うという場合は何年かに一度はプロに見てもらい、調整してもらったり、壊れた部品などを取り替えるなどするとよいでしょう。また、焚き方に問題があると指摘された場合は、正しい焚き方をもう一度教えてもらうなど、対策が必要です。
買い替えのタイミング
大切に使えば長もちするといいますが、買い替えはいつ行うべきなのかと疑問に思っている方も多いようです。買い替えのタイミング、それは、使用に耐えられなくなったときです。では使用に耐えられなくなったことをどうやって知ることができるのでしょうか。
薪ストーブの状態を知るには、プロに判断してもらわなくてはなりません。毎年行うプロのメンテナンスを頼んだときに不具合がないかをしっかりと見てもらい、修理が不可能だった場合などに「もうそろそろ買い替え時ですよ」と教えてもらうのがよいでしょう。また、部品が壊れてしまった場合、部品がすでに販売されていないこともあるので、その場合も買い替えをすることになります。
日本における薪ストーブの歴史は30年ほどです。その間に次々と技術革新が行われ、新しいスタイルの薪ストーブも誕生して、現在は国内外で作られたさまざまな種類の薪ストーブが市場に出ています。もちろん薪ストーブが壊れてしまってから買い替えるのもよいですが、新しい技術を搭載した薪ストーブや魅力的なデザインの薪ストーブに出合い、「どうしてもほしい!」と思うこともあるでしょう。もちろん、その瞬間も買い替えのタイミングといえるでしょう。
スムーズに買い替えを行うために
薪ストーブを買い替える場合の流れ
- 薪ストーブ販売店へ出かける
- 現在使用している薪ストーブ、煙突などの診断してもらう
- 現在の家の状態に合わせた薪ストーブを提案してもらう
- 薪ストーブを決定
- 施工
薪ストーブの買い替えを決めて、薪ストーブ販売店へ出かけるときには、「このブランドがいい」「このモデルにしたい」など、新しい薪ストーブに対するイメージが大まかにできているでしょう。そしていくつかの販売店を訪れて、薪ストーブを見たり、その機能や特長などをスタッフに教えてもらうなどしてもらい、熟慮した上で新しい薪ストーブを決定します。
薪ストーブ販売店を訪れたときに忘れてならないのが、スタッフに「現在の家の状態を見てもらいたい」と伝えること。そして、実際に家に来てもらい、現在の薪ストーブが正しく設置されているか、煙突のサイズは新しい薪ストーブに合っているか、煙突は傷みがなくそのまま使うことができるかといった診断してもらうことが大切です。そうすることで、設置までの流れがスムーズになるだけでなく、家の大きさや性能に合った薪ストーブを提案してもらえます。また、同時に設置費用も含めた見積もりも出してもらえるので、薪ストーブ買い替えの予算が立てやすくなります。
このサービスはどこの販売店でも無料で行ってくれるので、ぜひ利用するとよいでしょう。
薪ストーブをオーバーホールして長く使う場合
オーバーホールとは、使い込まれた機械製品を新品時の状態に戻す作業のことです。薪ストーブでは、機械製品を部品の段階まで分解、洗浄、検査し、不良となった部品を交換して、再構築します。
オーバーホールは、メンテナンス時にプロの方に見てもらい、薪ストーブに不具合があったときに、買い替えともう一つの選択肢として提案されることがあります。
通常、プロに薪ストーブのオーバーホールをお願いする場合、その場でできないことがほとんどです。ご自宅から薪ストーブを引き上げ、オーバーホール(部品の更新)を行い、また薪ストーブをご自宅に届けることになり、かなりの時間と費用が必要になります。また、更新できる部品がすでに作られていないこともあり、実際にオーバーホールを行うお客様は多くはありません。
とはいえ、愛着がありどうしても手放したくないという薪ストーブもあるでしょう。そういった場合は、信頼できる薪ストーブ販売店にご相談ください。オーバーホールだけでなく、願いをかなえてくれるさまざまな方法を提案してくれるでしょう。
長く使うために必要なのは日々のお手入れ
薪ストーブを長くそして安全に使うためには、毎日のお手入れは欠かせません。毎日行う主なお手入れは、ガラスを含むドア回りの掃除と炉の中の灰の始末です。ドア回りの掃除では、ドアの密閉性を保つために灰や燃えカスを取り除きます。ガスケットが損傷していた場合には取り替えます。また、ガラスは掃除をせずにいると灰がガラス化して曇ってしまうので、こまめに手入れを行います。毎日煤で黒くなる場合は不完全燃焼の可能性もあるので、燃焼状態の確認が必要です。灰の始末は、灰受けトレイはこまめに確認し、始末すること。炉の中の灰は、少し残した方がよいモデルときれいに取り除いてから点火した方がよいモデルあるので、それぞれに合った掃除を行います。
シーズンが終わったら、本体の点検や煙突掃除といったフルメンテナンスも必要です。本体の点検では、傷みをチェックして必要な部分の補修・交換します。また、煙突掃除では、掃除用ブラシを煙突の上から差し込んで付着している木タールやススを落としますが、自分で行うのはなかなか難しいものです。これまでの使い方やお手入れが正しかったかどうか、チェックしてもらう機会として、年に一度専門の業者にお願いするとよいでしょう。
冬の間、休む間もなく働いてくれた薪ストーブ。お疲れ様の意味を込めて、しっかりと汚れを取り除き、不具合のあるところは修理をして、次のシーズンに備えておきたいですね。